〜青の酒場近くの大通り〜

	「ふう、今日は人が多くて買い物にも骨が折れますね・・・」
	「まぁこれで買い物も終わりましたし、家に帰る前にちょっと酒場あたりで休憩を・・・・」
	「・・・」
	「・・・あんな所に建物あったかな」
	「・・・どれどれ」

	「わあ、うさんくさい」
	「こういうのって美術品展示会と見せかけといて 　　その実態は美術品の押し売りを目的としてるんですよね 　　この前スーパーニュースで見ました。」
	「まったくどういった事情か知りませんがこんな事する人の顔を見てみたいものです」
	「・・・・・」

	「おらっしゃああー！！展示会だよー巨匠まは田みつをさんの作品展示会だよー 　　よってらっしゃい見てらっしゃい！たった大人５００ゲルム・子供２５０ゲルム！ 　　お徳だよー、見れるのは今だけだよー」

	（・・・・・）
	（・・・・・さて帰るか）
	（・・・・ばれないようにそっと前を）
	スススス・・・・サササッ
	「・・・　・・・・・！！」
	（・・・・・！！悪寒が・・・）
	「！　おっ！そこの兄ちゃんか姉ちゃんかワカラナイ感じの人 　　どうだいキミも！一度まは田巨匠の素晴らしい作品に触れてみないか！！ 　　入場料は５００ゲル・・・・」
	「・・・・・あっ」
	「・・・・・」
	「・・・・・どうも」
	「・・・おお」
	「相変わらず楽しく人生をお送りの様でうらやましい限りですよ」
	「・・・うん、まぁ・・・・今は楽しくない・・・かな、ピンポイントで」
	「とてもお久しぶりにお会いしながらなのにこんな事を言うのもなんですが・・・」
	「何やってんだあんた」
	「・・・いや、美術展を・・・最近美術にはまっててね」
	「もうなんか泥沼にはまってるように見えますが・・・ 　　ハマるハマらないで人生を揺り動かす貴方を見てると 　　時々自分の生き方に疑問すら感じます」
	「・・・じゃあ俺みたいな生き方する？」
	「いや、それは勘弁」
	ﾁｬｯ　「・・・ったく久しぶりに顔見せたらと思ったらまた嫌味か 　　　　　嫌味言ってるだけで成り立つ人生ってのもいいもんだよなぁ！」
	「なに子供みたいな事言ってるんですか」
	「まは田みつをってまはらじゃさんの事ですよね、どうせ」
	「っていうか今回はまた豪快なところからパクッ・・・ 　　　インスパイアしてきましたね」
	「うん！そうだね！！」
	「潔いですね、どこまでも清々しい･･･ 　　っていうか少しは申し訳ない気持ちを出せ」
	「いやまぁ、今回はね・・・本当にリスペクトしてる人をパクッ･･･ 　　・・・・・」
	「オマージュったからね」
	「申し訳ない気持ちはとうの昔に出し尽くしたよ」
	「ほほう、そうなんですか・・・嘘付け」
	「嘘ちゃうっちゃもん！」
	「エセ博多かぶれが・・・・・・でまぁ今回は相田みつを氏と」
	「そうだね、相田さん。やっぱ知名度が凄いじゃない？ 　　まぁその勢いでバンバン人が来れば儲けもんってことで」
	「黒いなアンタ・・・まぁ今に始まったことではないですが」
	「大体こんな胡散臭い商売してたら人なんてくるわけないでしょうが」
	「そ〜れが来るんだなぁ〜 　　もうみんな帰る時は涙なみだの大満足大感動スペシャルだよ 　　大家族スペシャルくらい大感動だよ」
	「マジですか・・・こんなところが・・・・馬鹿な・・・ってそれは置いといて 　　・・・お客さんが泣いてるのは中身が酷いからじゃ・・・」
	「なんだよオメー、そんなにモンクがあるなら 　　見てけばいいだろ！」
	「・・・・」
	「・・・・そうですね、一度見ておきましょうか 　　どんな胡散臭い商売してるのかを・・・・」
	「はっはっは！後でほえ面かくなよ？５００ゲルムだ」
	「・・・まはらじゃさん」
	「・・・なんだい」
	「・・この間の会談バイトの給料５０００ゲルムが未払いなんですけど」
	「わはははは！！相田みつをだけに間とはよく言ったものだ！ 　　シャロロン君も日々成長してるようだね！僕は嬉しいよ！！」
	「・・・・・」
	「・・・ただで入らせて貰いますね」
	「・・・・・」
	「・・・・・」
	「・・・・・泣きたい」
	「わかったよ！！お前への未払いの５０００ゲルムをチャラにしてやる代わりに 　　入場料無料にしてやるよ！ったくよおおお！現金なヤツだなぁテメエはよぉー！！」
	「何どさくさに紛れてワケワカラン事言ってるんですか 　　入場料の５００ゲルムは延滞料です。５０００ゲルムは耳をそろえて払っていただきます」
	「・・・・・」
	「・・・・・」
	「・・・・・」
	「・・・・まはらじゃさん？」
	「・・・・・」
	「・・・・・」
	「・・・・・泣いてるんですか？」
	「・・・・・うっせ黙れ」

	「・・・・・」
	「・・・・・やっと見つけた」

-　つづく　-